サプリメントの規格と品質
●サプリメント(健康食品)では後進国に入る日本
サプリメントを試してみたいけれど、「外国製は不安だ」、「何を基準に選べば良いのか分からない」など、本当に健康に有用であるのかという疑問と共に、もし有用なら品質のしっかりしたものを購入したいと誰もが思っているでしょう。
アメリカ製サプリメントは日本に比べて遥かに進んでいるといわれています。
その理由の一つに「GMP認定」という制度があります。日本では、『適正製造規範』などと訳されています。
元々は、アメリカで医薬品や食品を製造するための、環境・設備・組織・手順・試験・記録などを規定の水準に保つように定めた指針の事で、これをきちんと実施している工場に、利害関係の無い第3者による認証が行われており、アメリカのcGMPという基準は日本のものより厳しいといわれています。
●サプリメントのGMP認証制度について
米国ではFDA(アメリカ食品医薬品局)の、cGMP認証を取得していないサプリメント製造メーカーはサプリメントの製造や販売が原則として禁止されています。
ところが、日本では保健機能食品(特定保健用食品や栄養機能食品)を除いては、法的な規制が何も無いのが現状です。
このことは、日本の健康食品業界に於いて大きな問題であり、野放し状態ともいえる状況から、消費者との間で様々なトラブルを生んでいます。
【参考資料】
厚生労働省のホームページより『米国cGMPの現状』- Wakunaga of America 社の報告より引用 -
●日本の健康食品業界におけるGMP
日本では公益財団法人「日本健康・栄養食品協会(JHFA)」と一般社団法人「日本健康食品規格協会(JIHFS)」2つのGMP認証団体がありますが、GMPを取得している会社は品質にこだわりを持つ良心的な企業か、輸出を中心に考えている企業のみに留まっています。
日本でも、医薬品のように一本化し、かつ、米国FDAの要求を満たすレベルのGMPに関する法整備が一日も早くなされる事が望まれます。
日本の場合は、健康食品業界、とりわけ健康食品製造メーカーのGMPに対する認識の甘さと姿勢が問われています。
●アメリカ製サプリメントの「USPグレード」とは
アメリカでは、各メーカーも競って「無農薬」、「有機栽培」などのオーガニック原材料を使用することを競っており、オーガニックに関しては第三者機関としての認証機関も数あり、合格した原材料には認証ロゴマークの表示が許可されていますが、それ以外の全てを第三者が証明してくれるわけでもありません。
そこで役立つのはUSPの認定マークです。(右上の画像はUSDA 100%オーガニック認定マーク)
UPS(United States Pharmacopeia)というのは独立非営利団体で、180年以上にわたり製薬の品質基準を定めています。
そのUPSが現在サプリメントのテストに乗り出し、UPSの基準をクリアしたものにはUSP認定マークがついています。
USPグレードとは医薬品と同等の品質レベルを保つ原材料であるという証明になります。