ここでは長年に亘り、通信工事に携わってきた本人が、その経験も踏まえて集合住宅の屋内配線について解説しています。
はじめに、集合住宅といっても様々な形態があります。
都市部の高級高層マンションや個人が経営する小規模なマンションやアパート、県や市町村営住宅、UR賃貸住宅(旧公団住宅)など様々で、かつ、建設された年代などによってもその通信設備の内容などは異なっています。
ここでは長年に亘り、通信工事に携わってきた本人が、その経験も踏まえて集合住宅の屋内配線について解説しています。
はじめに、集合住宅といっても様々な形態があります。
都市部の高級高層マンションや個人が経営する小規模なマンションやアパート、県や市町村営住宅、UR賃貸住宅(旧公団住宅)など様々で、かつ、建設された年代などによってもその通信設備の内容などは異なっています。
集合住宅の場合、基本的には通信回線(電話回線や光回線)は建物の特定の一か所からMDFと呼ばれるメイン端子盤へと引き込まれており、そこから各階のIDF、及び各戸別の部屋に配線されています。
また、集合住宅といっても小規模な、いわゆる二階建て以下のアパート(文化住宅などとも呼ばれる)と呼ばれるような建物の場合、配管設備の状況に依っては直接部屋まで光回線を引き込む事が可能な場合もあるかと思います。現在、電柱から直接「電話回線」が引き込まれている場合は、「戸建て」と同じ扱いになります。
(建物の配線状況により、ケースバイケースなので一律には言えません。)
では、配管設備の無い集合住宅ではどうなのか、古い公営住宅(よくある5階建てエレベーター無し)などでは電話線を電柱から直接、戸別に引き込んでいるケースも実際に見られます。
この場合、物理的には電話線と同様に電柱から直接光回線を引き込む事も可能です。(許可云々の話は別)
集合住宅の配線方式について解説すると、引き込んだ光回線を各戸で共有する「共同利用方式」には、建物内の配線によって「光配線方式」「LAN配線方式」「VDSL方式」の3つの方式があります。
(タイプ1)光配線方式:各戸別の部屋まで光ケーブルが配線されている場合。
回線終端装置が必要で、事業者側で用意してくれます。Wi-FiルーターやLANケーブルは個人で用意します。
速度は、戸建てで光回線を利用する場合と同等とされています。
●上の画像は光回線コンセントの一例(光)のマークあり
(タイプ2)LAN配線方式:MDFから各戸別の部屋までLANケーブルで配線されている場合。
回線終端装置は無く、直接LANケーブルを接続して使用可能ですが、ルーターの使用をおすすめします。
ルーターやLANケーブルは個人で用意します。
速度は、戸建てで光回線を利用する場合より低下しますが、同時利用者が少ない場合は回線速度まで可能です。
●注意点として、ルーターを設置しない場合、インターネット側からあなたのパソコンが丸見えになってしまい、セキュリティー上の問題があり、非常に危険です。
●上の画像はLANコンセントの一例(LAN)のマークあり
タイプ3)VDSL方式:MDFから各戸別の部屋まで電話用の2芯銅線で配線されている場合。
現実的に、最も多い方式です。(方式というよりも旧来の電話設備をそのまま利用しています。)
各戸には電話回線用モジュラージャックを経由して「VDSL宅内装置」が設置されます。(事業者側で用意してくれます。)
ルーターやLANケーブルは個人で用意します。
速度は、下りが最大で100Mbps、上りは50Mbps程度です。
メタル線を利用した回線方式ではDSLやADSL等がありますが、VDSLはその中でも最も速度が速い方式です。
●上の画像はモジュラージャックの一例
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